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「凸凹ミックス会議」でダイバーシティ経営を考える

2014/05/12   更新:2018/11/30

先日、「第1回凸凹ミックス会議」 という面白い名前のイベントに参加しました。

「凸凹ミックス会議」は新世代ワークプレイス研究センター(NEO)の「ダイバーシティ経営分科会」が、外部の人も巻き込んで議論しようという場で、今後も何回か予定されているようです。

「組織人の新しい働き方、暮らし方」を紹介している私たちも、ダイバーシティにはとても関心を持っています。今までにないやり方に挑戦する人たちが属するのは、大なり小なり多様性(ダイバーシティ)を許容する組織であるはずだからです。

イベントでは、

  • 関西学院大学の古川靖洋教授から「テレワークの導入が、企業のアイデア創造力に好影響を及ぼすか」という研究の紹介
  • ロフトワークの西本泰司さんから、「ロフトワークのチームビルディング」
  • サイボウズの大槻幸夫さんから、「サイボウズがチャレンジする新しい働き方とその結果」

のお話があり、その後に質疑応答と参加者全員による2分間プレゼンとディスカッションをしました。

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色々な気づきがありましたが、一番大きかったのは「ダイバーシティは経営戦略である」ということです。

わかっている人には「そんなこと当たり前じゃん」と言われそうですが皆さんのプレゼンや議論を通じてとても合点がいったのです。

質疑応答では、そのことが「ダイバーシティは単なるツールであって目的ではない」という言葉で表現されていました。
「性別、国籍、年齢、障害の有無などに関わらず、多様な人材を活用しましょう」というと、儲けとは関係のない倫理的な話であるかのようなイメージを抱きがちですが、そうではなく、事業を成功させる手段としてダイバーシティに取り組むのだ、ということです。

戦略としてのダイバーシティとは

例えば全く同じスキルと経験をもった子育て中のA子さんと独身のB男さんのどちらを採用するか、という場面で、ダイバーシティを戦略として捉えていない組織は、家族という制約がなくたくさん働いてくれそうなB男さんを選ぶ可能性が高いでしょう。

戦略としてダイバーシティに取り組んでいる企業の場合、担当業務に関するスキルや経験、今現在どの程度仕事に専念できるか、ということだけで比較するのではなく、子育て中の女性が入ることによって組織に対する好影響があると考えられれば、A子さんを選ぶでしょう。

サイボウズさんの取り組みが、こういう考え方を分かりやすく示しています。

最長6年までとれる育休制度や、会社をやめても6年以内に復帰できる「育自分休暇制度」を導入するなど、サイボウズでは社員が「出入り自由になる」方向に変化してきたそうです。

これは社員が「出て行く」ことのハードルを下げるので、短期的には戦力を失うことになって苦しいはずです。でも出産や転職が「永遠のお別れ」にならずに戻ってきてまた戦力になってくれる可能性、さらにはそんな自由さに魅力を感じて新たな人材が集まってくる可能性が高まり、長期的にはプラスになる、という合理的な判断でやっていることなのです。

ダイバーシティ経営=多様であればOKではない

ロフトワークでは、お客さんの課題を解決するプロジェクトを、社外の様々な人たちを巻き込んで進めていきます。そうすると、メンバーの多様性が「新しい視点」をもたらし、クリエイティブな成果が出せるのだそうです。

そのためロフトワークのプロジェクトマネージャーには人的ネットワークと、人選の目利き力が求められるようです。

多様性を大事にすると言っても、単に雑多なメンバーを集めれば良いということではなく、各プロジェクトの目的に照らして、どんなバックグラウンドを持った人たちを集めてくるか、ということが重要なんですね。

会社単位でダイバーシティに取り組む場合もやはり同じで、今までマイノリティだった女性や外国人や障害者の数を増やしましょう、という単純な話ではないのでしょう。
先の例では、総合的に考えてやっぱりB男さんを採用した方がよいという判断もありうるのが、戦略としてダイバーシティに取り組むということだと思います。

社員に求めれらることは一律ではなくなってくる

印象的だった話で、異端児だった社員に新規事業をやらせてみたら大いに成功した。それまではどうしても朝9時に出社することができなくて、評価されず活躍の機会が与えられていなかったけれど、本当は実力があったことがわかった、というエピソードがありました。

「朝9時に来られる」ということが大して重要なことではないと割り切れる会社なら、このような人はどんどん活躍していけるんですよね。

これは「勤務態度とか、”世間の常識”みたいなルールはどうでもいいよね」という話ではありません。

ある組織では、決められた時間に出社できるかどうかは問題では無いけれど、正直であることと業務上必要な技術を有していることは絶対条件となるかもしれないし、他の組織(例えば接客業など)では、必ず決められた時間に出社できることや人に不快感を与えないことが絶対条件となるかもしれない。
組織ごとに大事にする価値観や必要とするスキルを明確にし、それ以外のこと(例えば性別、年齢、国籍、障害の有無、長時間労働ができるかどうか?など)は関係なく採用や人事評価をし、結果として多様な人たちを雇えるのが、ダイバーシティ経営の理想なのではないかな、と感じました。

そんなことを考えていたら、ちょうどこんな記事が。
ここに出てくる「アウトロー」な学生たちも、まさに多様性を体現している人たちではないでしょうか。
「アウトロー採用」がもたらす、人と関わり、破壊され、進化する組織

この記事で紹介されているのはとても手間がかかる採用方法です。必ずしもこれと同じ方法を取る必要はないでしょうが、多様性のある組織を目指すなら、組織が大事にする価値観を共有できる人物なのかどうかを見極める方法を模索するなど、採用や評価に手間をかける覚悟が必要になってくると思います。

☆☆

今後の「凸凹ミックス会議」

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☆☆

文/やつづか えり

 

 

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