My Desk and Team

My Desk and Team

フリーランスと企業の新しい関係

2013/01/08   更新:2018/11/30

藤本洋徳さん

Profile

藤本 洋徳 Fujimoto Hironori
1975年、福岡県生まれ。筑波大学博士課程中退。インターン活動中に実学の面白さに気づき就職。インテル株式会社、ネットビレッジ株式会社を経てフリーランスSE/PGへ。得意分野はアジャイル手法を用いた初期Webアプリ開発。立ち上げに関わったサービスは「ポンパレ」(リクルート株式会社)、「茶会人訪問」(ゼロベース株式会社)、「ケータイ家族 もばみ」(安心ネットづくり促進協議会)など。趣味はアメリカンバイク、読書。

藤本洋徳(ふじもと ひろのり)さんは、フリーランスのエンジニアとしてWebサービスの開発に携わっている。

「組織人」の働き方を紹介する「My Desk and Team」がなぜフリーランスの藤本さんにインタビューしたのか。それは、藤本さんがゼロベース株式会社というWeb開発会社と契約を結んでチームの一員としても仕事をしており、そのワークスタイルをぜひ紹介したかったからだ。

オンラインコミュニケーション中心の、ゼロベースのワークスタイル

藤本さんは社員ではないがゼロベースの名刺を持っており、週に2時間の「オフ会」への参加とそれを含む8時間分の業務を条件に固定額を受け取っている(プロジェクトの状況などにより、その契約からあふれる業務がある場合は、別途費用を請求する)。

「オフ会」というのは、毎週火曜日の17時から19時にゼロベースのメンバー全員が出社する「コアタイム」のこと。ゼロベースの社員5名と、藤本さんの他にもうひとり、継続的に業務委託を受けているフリーランスのメンバー、合わせて7名がこの時間に集まる。

「オフ会」中のゼロベース社内の様子。

「オフ会」中のゼロベース社内の様子。

これを「オフ会」と呼ぶのは、彼らの普段のコミュニケーションが主にオンラインで行われていることが理由のようだ。ゼロベースのオフィスは新宿にあるが、社員はどこにいるのも自由で、出社するかどうかは各自に任されている。「オフ会」のとき以外はほとんどオフィスに顔を出さない社員もいる。

誰がどこにいるかわからないと困ることもあるのでは、と心配になってしまうが、オンラインではほとんどずっとつながっていて、互いの動きはなんとなく感じ取れるし、何か問題が発生してもチャットなどで連絡を取りながら対応をとれるという状態らしい。

面白いのは、「オフ会」にメンバーが集まっても定例ミーティングのようなものが始まるわけではなく、それぞれに仕事の続きをしたり雑談したりしていることだ。

groupware

ゼロベースで主に使われているコミュニケーションツールは、ChatWorkBacklog。その他に、ファイル共有のためにDropbox、ドキュメントはGoogleドキュメントCacooなど、オンラインツールを活用している。

各自の稼働状況や担当している案件の進捗などは、Googleドキュメント上に書き込んで共有することになっている。普通の会社だと、その内容を報告する定例ミーティングが開催されたりしそうなものだが、ゼロベースではそれがない。必要な情報をオンラインで発信し受信する、問題や疑問点があればチャットなども使ってすぐに解決する。そういうやり方に全員が慣れているから、オンラインで共有しているものをわざわざ口頭で確認し合う必要はないということなのだろう。とても合理的だ。

そんなわけで、藤本さんはゼロベースの社員ではないものの、一緒にプロジェクトを進めるチームのメンバーとして必要な情報が得にくいということは全くない。むしろ、何か開発上の課題が発生したらまずは相談されるので、プロジェクトの動きがよく分かるという。

「フリーランス」を選択するワケ

藤本さんが携わるゼロベースの仕事は、ゼロベースの社員であるプロデューサーやディレクターから持ちかけられる案件である。ゼロベース経由以外の仕事は、藤本さんのWebサイトやFacebookを見た人から直接依頼の連絡が入ることが多い。

「自分の作りたいものを作りたい」とか、「大きな仕事を獲得して仲間(社員)と共に挑戦したい」といった動機を持って独立するエンジニアもいると思われるが、藤本さんにはそういうプロデューサーやディレクター的なことをしたいという気持ちはない。あくまでエンジニアとして、面白そうなプロジェクトに呼ばれることがうれしいのだそう。

それならば、面白いプロジェクトに取り組める会社の社員でいれば、営業や事務といった仕事を担当者に任せ、安定的にエンジニアとしての仕事に取り組めるのではないか? なぜフリーランスという形をとり続けるのか?

藤本さん自身もインテルという大企業、そして携帯向けのサービスを作るベンチャー企業で働いた経験があり、「いろいろなプロジェクトが、全体としては会社の目指すひとつの方向に進んでいるということがわかった上で働けるのは楽しいし、勉強になることも多い」と考えている。
fujimoto2
それでもフリーランスでいることのメリットのひとつは、働く時間と場所の自由である。

普段は10時頃に起きてメールをチェックしてから朝食を食べ、家事をしてから仕事、というパターンが多い。朝早く起きて満員電車に揺られ、終電で帰る、という生活をしなくてよいのがとても良いということだ。

仕事に費やす時間そのものは、会社員時代に比べると減っている。その代わり「拘束時間は薄く広い」「健康であることが必須」という藤本さん。会社員のように自分がいない時に代わりを担ってくれる人はいないので、担当案件で何かあればすぐに対応が取れるようにしておく必要がある。

逆に、それができればどこに行くのも自由。プロジェクト期間中に、何かあった時の対応準備をした上でアメリカ・カナダ旅行に出かけたこともあった(その時は出発前の成田で緊急連絡を受けて仕事をしたが、幸い海外にいるときには緊急対応は発生しなかったそう)。

他には、魅力的な仕事に出会うチャンスがあり、仕事を選ぶ自由があるというメリットもある。

WebサイトやFacebookを見た面識のない相手から仕事の依頼があることも多いという藤本さんだが、「地雷そうな案件の空気感」は最初のやり取りで分かるし、コンセプトを聞いて「いけるな」と感じられるプロジェクトにメイン開発担当エンジニアとして参加の声を掛けてもらえるのがうれしいという。

フリーランスエンジニアとしての10年の経験とそれにより培われた嗅覚が、良い仕事に出会うことを可能にしているのかもしれない。

おすすめ記事

FOLLOW US

おすすめの本

BOOKS
  • 本気で社員を幸せにする会社 「あたらしい働き方」12のお手本

    本気で社員を幸せにする会社 「あたらしい働き方」12のお手本

  • 管理なしで組織を育てる

    管理なしで組織を育てる

  • 生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方

    生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方