7月27日(土)、株式会社パソナテックが運営するJob-Hubの主催で、『「これからの働き方」を考えるサミット ~”2枚目の名刺”を持つことで 広がる世界とスキルがある~』が開催されました。
「My Desk and Team」の取材スタッフとして参加した宅美さんからの、レポートです!
「2枚目の名刺」に込められた働き方の新たな可能性とは?
ここ最近、本業で使用する名刺とは別に「2枚目の名刺」を持ち、活用していくことで自身のキャリアを広げるという考え方が広まり始めている。
これまでの副業と異なるのは、メインとなる本業とそれ以外の場所で行う活動がお互いに良い影響を及ぼし合い、多角的にスキルが高まり、また本来持ち得ることのない人脈が広がるなど多くのメリットを得られる点にある。
こういった働き方や考え方を「パラレルキャリア」「複業」などと表現する。
今回参加したイベントでは、既にそういった「2枚目の名刺」を活用し数多くの成果を上げてきた4名が登壇した。
本業と平行して別の自己実現の道を作る
一般的に会社員として企業に勤めている場合、必ずしも自分のやりたい仕事と会社の中で必要とされる仕事が一致しない場面がある。
そういった場合に「2枚目の名刺」は特に効果を発揮する。
独立、起業となるとリスクは大きく、既婚者や子どもがいると更にそのハードルは高まる。そこで、まずは本業という形で自分の居場所を残しつつ、社外で小さく別のプロジェクトを始められることもメリットの1つだろう。
「今の会社でやりたいことが無い場合、まずは『2枚目の名刺』で夢を小さく始められるのが魅力」と自身に「人生が変わる2枚目の名刺」という著書を持つ柳内啓司氏。

柳内 啓司氏
大手SIer勤務、ITビジネスアナリストの大元隆志氏はこう言う。
「他の人がカラオケに行ってジレンマや鬱憤を発散するのと同じ。自分にとってその場所が『2枚目の名刺』での活動だったということ。」

大元 隆志氏
会社人としてではなく、一社会人同士での付き合い
こういったメリットもある。
大手デベロッパー勤務の刈内一博氏。学生時代に研究していた都市と農村を繋ぐプロジェクトでは、地方の農家へ出向き、そこで相手の立場になって年配の方を始めとする地元の方々との信頼を築いていくことが大切なのだと言う。
2枚目の名刺やパラレルキャリアは、

刈内 一博氏
専業か複業か?
一方で別の見方もある。実際に質疑応答の際に参加者側から出た意見である。
「本業以外の活動に費やした時間をそのまま本業に費やしていれば、それだけ会社に貢献でき、自分自身もその分の対価が受け取れていたのでは?」
金融機関に勤務する傍ら、自身で「NPO法人二枚目の名刺」を立ち上げた廣優樹氏はこう言う。
「社会に対しての還元という広い意味で捉えれば、(売上等の)金銭以外で貢献できることも多い。また、次世代に対しても新しい価値観を示していくという点でとても意味がある。」

廣 優樹氏
株式会社パソナテック湯田健一郎氏。
「自分を会社に例えるとわかりやすい。自分がメインとしてやっている事業を安定的に継続出来るのであれば、それはそれでいい。ただ、それがいつまでも続くかは誰も保証は出来ない。」
現代における有効な選択肢の一つ
社会の仕組みが複雑化し、変化が激しい世の中では、それに応じて戦略的なキャリア構築が必要となる。
すなわち会社や上司主導ではなく、あくまでも自分主導で実現したい未来を描いていく必要がある。そんな中、この「2枚目の名刺」に代表される新しい働き方は、数年先を予想するのが困難な現代において、非常に有効な選択肢になり得るのではないだろうか。
☆☆
<関連情報>
柳内氏:「人生が変わる2枚目の名刺」
大元氏:ブログ「ASSIOMA」
廣氏:NPO法人二枚目の名刺
☆☆
取材・文・撮影/宅美 浩太郎

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