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社員を大事にし、変化させることのできる会社は強い

2013/02/13   更新:2018/11/30

社員を育て、モチベートする会社

先日「中小企業のワーク・ライフ・バランスに関するシンポジウム」というイベントで、いくつかの中小企業の取り組みを聞く機会がありました。

「ワークライフバランス」がテーマだけあって、パネルディスカッションに参加していた企業4社とも、社員とその家族の生活をとても大事にしていて、それぞれの取り組みに感銘を受けました。

イベントの後、パネラーのおひとりの向洋電機土木株式会社 総務部課長の横澤さんにお話を伺いました。

横澤さんは、4年前にまったくの異業種の会社から建設業の現在の会社に転職し、ワークライフバランス向上のための施策を精力的に進めてこられました。

そのため、現在の向洋電機土木株式会社には定時退社や有休取得推進、時短勤務、出産・育児休業、介護休業、在宅勤務等々の制度が充実していて、この4年で27人の社員の子どもが9人も増え (!) 、男性の育児休業取得者も多いそうです。

また、資格取得のために会社で講習会を実施するという取り組みもされています。

建設業では社員の資格保持が入札参加の条件になったりするため、会社の業績にとっても、社員のキャリアにとっても資格は非常に重要なもの。取得を奨励し、給料に資格手当を上乗せする会社が多いようです。

それでも、仕事をしながらひとりで勉強を続けて合格するのは大変ということで、会社で勉強をサポートすることで、合格率が目に見えて上昇しているそうです。

横澤さんがスゴイのは、単に制度を導入したり講習会を開いたりするだけではなく、社員の意識改革や、モチベーションを引き出すということに、ものすごく丁寧かつエネルギッシュに取り組んでいるということです。

例えば、社長と横澤さんは社員ひとりひとりと頻繁に面談をし、日々の仕事のことや将来のプランについて、じっくり話をするそうです。将来のプランについては、それを実現するためにはどれだけのお金が必要か、今の収入とのギャップがどれだけか、ということまで考えてもらいます。そして、そのギャップを埋めるための方法として「資格を取得する」ということに、その人のワークとライフをつなぐ意味づけができるようになるのだということです。

また、勉強会への参加を表明したのにサボった社員には横澤さんが電話し、それでも来なかったら家まで迎えにいくとか! 失礼ながら、まるで(生徒には煙たがられている)高校の生活指導の先生みたいです。

それを聞いたときは、「社会人相手にそこまで面倒をみてあげなければいけないの?」と思ってしまいましたが、横澤さんが入社して4年。そんな風に徹底的に社員と向き合ってきた結果、この1,2年でみんなの意識が変わってきたと感じるそう。

横澤さんのようなバイタリティや、コーチング、カウンセリングスキルをもった人がどの企業にもいるわけではないでしょう。でも、こんな風に社員の教育やモチベーションアップに力をそそぐ企業がもっと出てきてもいいのでは、と思います。

というのも、こういった取り組みは単に社員の福利厚生のため、というわけではなく、会社の業績や組織力に直結するからです。

パネルディスカッションに登場した4社とも、会社が社員とその家族を大事にすることによって、社員も会社を大事に思って貢献する、という関係ができていることが見て取れました。組織にとって、これはすごく重要なことだと思います。

企業は皆、即戦力を求めているのか

先日、「稼げないあなたに、会社はもう投資しない」という記事のタイトルが目に飛び込んできました。(記事はこちら
とても過激なタイトルで、就職活動中の学生だったら暗〜い気分になりそうです。
※このタイトルについては筆者は不本意だったとのこと。また、記事の内容も、一部のエリート大学生と大企業の関係にフォーカスしたもので、すべての会社や就職希望者に当てはまることとして語られているわけではないことを、書き添えておきます。

この考え方は、就職希望者にとって厳しいだけでなく、企業にとっても「トップレベルの人材を獲得しろ!」「単純な仕事はアウトソースや海外移転して低コスト化しろ!」「さもなければ競争に負けるぞ!」というプレッシャーを与えているのではないでしょうか。

確かにそれもひとつの戦い方です。だけど、最初に挙げた中小企業の取り組みを見ると、それが唯一のやり方ではないはずだと思います。

スター選手を集めることにコストをかけるのか、今いるメンバーや普通の新人を育て、やる気を引き出すことにコストをかけるのか、どちらがいいかは、企業の大きさ、資金力や仕事の内容などにもよるでしょう。

例えばNHNジャパンの「LINE」のチームは、今とても勢いがあり、スター選手を集めることが可能で、それがうまく機能しているのだと思われます。

事業を統括してきた舛田執行役員によると、優秀な人材が集まったチームをうまく機能させるには、なるべく管理せず放任主義が良いそうです。つまり、育てたりやる気を引き出したり、というところにはコストをかけなくてよいというわけです。

「それぞれがいろんなところで一線級でやっていた人間たちなので、それぞれのやり方がある。そうすると、よくあるフレームを当てはめるよりは、ゴールはどこで、行動原理はこれで、哲学はこれで、さあ、やろう、っていう方がうまくいく」
1億人のLINE、キーパーソンが描く世界戦略:日本経済新聞

「LINE」のようにどんどん新しいものを生み出していくことが重要な事業で、かつ資金力があるなら、優秀な人材を集めるのにコストをかけるのはとても意味があります。

ですが、スター選手ばかり集めてもその力をうまく活かせないなら、他の部分にお金とパワーをかけた方がいい企業も多いはずで、そのひとつが、教育と社員との絆づくりではないでしょうか。

それがうまくいけば、「稼げない人材」が「稼げる人材」に変わるだけでなく、仕事にやる気と愛情を持って取り組む人に変わる可能性があるのです。

社員を変化させることのできる会社は強い、横澤さんのお話を聞いて、そんなことを考えました。

(なお、横澤さん以外の向洋電機土木株式会社の社員の方にも是非お話を伺ってみたいと思い、現在取材のお願い中です!)
→ 2013/4/1 インタビュー記事を掲載しました!
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