「資生堂ショック」と「子連れ出勤」について「Conobie」に寄稿しました
2015/12/02 更新:2018/11/30
子育てに関する情報サイト「Conobie」に、子育て中の働き方に関する記事を2つ寄稿しました。
様々な課題が絡みあう「資生堂ショック」
11月上旬にNHKの「おはよう日本」で取り上げられたことで、一気に話題になった「資生堂ショック」。
ネット上で飛び交う様々な意見や関連情報は、とても興味深いものでした。
ただ「子育てとの両立支援の流れに逆行する」という声の中には短絡的に感じられるものも多くあり、ちゃんと考えをまとめておきたいと思っていたところ、Conobieさんからお声がけをいただいてありがたかったです。
この話には、
- 一企業内の制度の課題(子育てとの両立支援策、人材育成やキャリアデザインなど)
- 子育て家庭を取り巻く社会の課題(保育制度、長時間労働の文化、夫婦の家事・育児分担など)
- 小売業やサービス業のあり方の課題(デパートの開店時間、販売員のキャリアパスなど)
といったいくつもの課題が絡みあっています。
Conobieに書いた記事では、「企業の制度の課題」に焦点を当てました。
こちらの記事は、「子育て家庭を取り巻く社会の課題」も含めて分かりやすく書かれていておすすめです。
女性活躍とは「女を男にして働かせること」ではない:日本経済新聞
小売業やサービス業のあり方の課題
これはさらに難しい話になりそうですが…、
ひとつは「遅番、土日勤務は店にとっては重要。だけどやりたい人が少ない」という状況は今後変わっていくといいな、と思います。
例えば、平日夕方以降や土日にお客さんが集中するという状況は、いずれもっとみんなの働き方が柔軟になればなくなっていくのでは? 逆に、販売員の皆さんのプライベート時間の過ごし方が多様化すると、あえて遅番や土日に働きたいタイプの人も増えてくるかも?
それと、場所や時間に柔軟性のある働き方の方が子育てとの両立がしやすいのは事実で、だからこそ「在宅勤務制度」を導入する会社が増えています。逆に接客業は場所と時間の自由度が少ないので、「資生堂の販売員」というのは子育て中社員の働き方の課題が顕在化しやすいケースだったとも言えます。
もう一つの記事に書いたように、店舗で赤ちゃんを抱っこしながら接客する(かつ、スタッフの人数を増やすことでひとりひとりの負荷を減らしている)モーハウスのような例もありますが、化粧品のお店でこれを真似するのはなかなか難しそうです。そうなると働く個人としては、「接客の仕事がすごく好き。子育てとの両立が大変でもやりたい!」という人のための子育て支援や家族の協力があることと同時に、そこまで接客の仕事にこだわらない人向けには別の職種に転換できるしくみ(社内でのキャリアパスの可能性や、子育て中でも転職しやすいという社会)があるのが理想です。
このように、「資生堂ショック」は様々な課題を考えるとても良い材料でした。
「必要なら子連れもOK」な職場が増えてほしい
もう一つの記事は、「子連れ出勤」というスタイルをあまり知らない人向けに、本サイトでも紹介したモーハウスさんとソウ・エクスペリエンスさんの事例と、私が見聞きした「子連れ出勤のメリット・デメリット」をご紹介しました。
あらためて記事にまとめてみて思ったのは、「必要なときに連れてくることもできる」という会社が増えたら、ほっとするお父さんお母さんはとっても多いだろうな〜、ということ。
たまたま今日読んだ東京糸井重里事務所CFOの篠田真貴子さんのインタビューに、ネスレ勤務時代に海外での会議に子連れで出席した話や、小学生になったお子さんが糸井事務所に顔を出すこともあるという話が出てきました。
「ほぼ日」の母が、40代で最高に輝ける理由 | 東洋経済オンライン
今後じわじわとでも、「子連れで来るのもありだよね」という感覚が広がるといいな、と思います。
☆☆
<お知らせ>
2016/1/27(水)に東京都港区で開催する「ワーク・ライフ・バランス 経営講座&お悩み相談会」にて、本サイトを運営するやつづかがコーディネーターとなり、ソウ・エクスペリエンス 西村社長(参考記事:ソウ・エクスペリエンス取材で感じた子連れ出勤の”副産物”)、ウィルド 大越社長(参考記事:ワークライフバランスと生産性 両立の秘密は「おやつ」? あるIT企業の試行錯誤)をゲストに迎えてお話します。
無料で参加者を募集しておりますので、ご興味のある方はどうぞいらしてください!
詳細:https://www.facebook.com/events/1536252043357343/
☆☆
働き方とはあまり関係ないですが、Conobieには以下の記事も書かせていただいています!
「”幸せ”は自分たちでデザインする」スーパー家事シェア夫婦の秘訣を大公開
関連記事
☆☆
文/やつづか えり

FOLLOW US
おすすめの本
BOOKS