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「ハイブリッドキャリア」人材に学ぶ、会社で思いを実現する方法

2014/10/31   更新:2018/11/30

10月6日に「イントレプレナーカンファレンス 2014 in Autumn」が開催されました。

自分のビジョンを組織の中で実現する「イントレプレナー」たちが登場する本イベント、今回は「パラレルキャリアからハイブリッドキャリアへ」をテーマに、以下の4名のお話を聞いた後、後半は参加者全員でのワークショップが行われました。

<登壇者(登壇順)>

  • 杉谷昌彦氏 富士ゼロックス株式会社勤務、「二枚目の名刺」共同代表理事
  • 三好大助氏 IT系広告会社勤務
  • 中根弓佳氏 サイボウズ株式会社 執行役員 事業支援本部長
  • 真田幹己氏 株式会社エスキュービズム・ホールディングス取締役

「ハイブリッドキャリア」の定義

「パラレルキャリア」に関しては、本サイトでも何度かそれを実践している方たちをご紹介してきました。本業と平行してもうひとつ(あるいはそれ以上)別の仕事やボランティアなどの活動をしている状態のことで、特に社会的な活動をしているケースを指すことが多いようです。

それに対し、今回のイベントでは「ハイブリッドキャリア」という新しい言葉が提示されました。

ファシリテーターの羽渕彰博さんは、プライベートな活動を「シゴト」と表現し、「パラレルキャリア=本業以外のシゴトを持つ働き方」「ハイブリッドキャリア=シゴトを本業に結びつける生き方」と説明します。

パラレルキャリアとハイブリッドキャリア説明図

登壇者のひとりである杉谷昌彦さんは、以下のように定義付けていました。

パラレルキャリアの先にある、仕事との新しい関わり方。

本業で培ったノウハウなどを利用し、プロボノ活動や社外での活動に取り組み、
本業では得られない、スキルやマインドセットを得て、さらに本業に生かしていく働き方。

本業の企業を巻込んだ取り組みにすることで、スケールも大きくなり、社会へのインパクトも大きくなる。

ハイブリッドキャリアの定義

「ハイブリッドキャリア」の実践と、それを許容する組織づくり

杉谷昌彦さん

杉谷さんは、正に上に挙げた通りのハイブリッドキャリアの実践者で、「二枚目の名刺」というNPO活動を通じて「人材教育」「イノベーション」というテーマで知識と経験を蓄積し、それを会社のプロジェクトに還元することで、より大きなインパクトを生み出そうとしています。(杉谷さんへの事前インタビューもぜひご覧ください→10月に「イントレプレナーカンファレンス 2014 in Autumn」開催。テーマは「ハイブリッドキャリア」

ハイブリッドキャリアへの変遷

パラレルキャリア以前の「シングルキャリア」の時代から、どのような変遷があってハイブリッドキャリアに辿り着いたのかというお話は、仕事の仕方やキャリアの方向性などについて模索している多くの参加者にとってとても参考になったのではないでしょうか。

三好大助さん

三好さんは今年の夏、所属している会社で非営利団体向けのプログラムを立ち上げました。

本業と同時に社外活動をしているというわけではないのでパラレルキャリアには当てはまらないでしょうが、入社前の学生時代、ノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス博士の存在に衝撃を受けてバングラデシュに渡り、ユヌス博士が設立した「グラミン銀行」での修行期間を経た後、現地の若者たちとキャリア教育雜誌の出版や書店を経営する会社を立ち上げるという稀有な経験をしています。

学生時代の経験、その時に蓄えた知見を社内に持ち込み、社会問題の解決に対する熱い思いを元に行動を起こし、仕事として形にしたという点で、「ハイブリッドキャリア」の実践であると言えるでしょう。

中根さんと真田さんは、それぞれの会社の人事制度や評価制度の紹介を交え、ハイブリッドキャリアのような人材を抱えるための組織側の話をされました。

中根弓佳さん

サイボウズ株式会社の、多様な働き方やキャリア形成を支援する制度については、これまでのインタビュー記事などでも何度かご紹介しています。(サイボウズ関連記事一覧

中根さんによれば、組織としてのチームワークの発揮の仕方としてサイボウズが目指すのは「ソーシャルチームワーク」で、これはたくさんの優秀な人たちになるべく長く働いてもらうことで全体の生産性を高めていこうということだそう。社員それぞれの希望に応じた多様な働き方を許容するのも、それに魅力を感じて優秀な人達が来てくれることを期待しているからなのです。「ハイブリッドキャリア」な人材というのは、社外で腕を磨いて社内でもその力を発揮してくれるという、正にサイボウズが求めている人材像と重なるのではないでしょうか。

真田幹己さん

エスキュービズム・グループは、IT、家電、アパレル、家具、中古車等々、非常に幅広い領域で事業を行っています。真田さんによれば、社員がどれだけ自発的に動けているかを非常に大切にしていて、もし今の事業以外にやりたいことがある社員がいれば、それをどう面白いビジネスに繋げられるかを一緒に考えるという風土があるそう。

「社内にはやるべきことは1万、2万とあるので、やりたいことがあったら(社外でやらないでも)中にあると思う」という言葉が印象的でした。

 

後半は参加者がグループに分かれ、今の自分の状況を整理し、次にやるべきことを宣言するというワークを行いました。

workshop

グループワークに使用されたワークシート。

グループワークに使用されたワークシート。

まとめ)会社で思いを実現するために重要なこととは

皆さんのお話を聞いて、自分の思いを会社の中で実現しようとしたとき、ハイブリッドキャリアな人材が有利である点として、以下の3点が大きいと感じられました。

1.行動力

エスキュービズムの真田さんは「規模は関係なく、どれだけ自己責任で物事を経験したか」が大切だと語ります。杉谷さんも三好さんも、答えがなくても行動しながら見いだすということを実践されていました。この行動力は、社外での活動によってさらに強化されているのでしょう。

2.社外の活動実績

社内では得にくいノウハウを個人的に得たとしても、それが新しければ新しいほど社内に説明することは難しくなります。しかし、社外でそのノウハウを実際に活かした実績があれば、認めてもらいやすくなります。

3.会社のミッションに沿った提案

会社のミッションは、会社が存在する意義であるため、たとえ年次が上の先輩や上司でも否定できません。さらに自分の提案が社内の誰にとって価値があるのかを考え、適切な責任者に提案することで協力を得やすくなります。杉谷さんは、自分の提案が社内の誰にとって価値があるのかを考え、教育や人事に関わる役員や子会社の社長に直接プレゼンし、「やらない理由はないはず」と説得したそうです。三好さんも、自分がやろうとしていることが会社のミッションに合致していることを示し、誰もが否定できないところから話を進めていくことで、壁を突破したとのことです。

今までは、サイボウズやエスキュービズムにような社外で力を付けた社員が活躍する余地がある会社は少なかったように思います。

しかし企業は今、現状を打破し、新しい風を吹かせることのできる人材を渇望しています。ハイブリッドキャリア人材の活躍が、今後もっとたくさん可視化されるようになれば、そういった人材の価値に気づき、積極的に受け入れようとする組織が増えてくるのではないか、皆さんのお話を聞いて、そのように感じました。

☆☆

関連情報
■イントレプレナーカンファレンス主催者の羽渕彰博さんが、以下のイベントでパネルディスカッションのモデレーターとして登場します。

「Tokyo Work Design Week 2014」公式プログラム「サラリーマンの逆襲」
2014年11月22日(土)14;45〜16:15
<出演>
◎小杉 俊哉氏(THS経営組織研究所代表社員/慶應義塾大学SFC研究所上席所員 )
◎高橋 大就氏(オイシックス株式会社 執行役員 海外事業部長 )
◎羽渕 彰博氏(株式会社パソナテック ハッカソン芸人)

詳細情報、チケットはこちら

 

■過去の「イントレプレナーカンファレンス」に関する記事

☆☆

取材・文/やつづか えり・木納 静穂 撮影/やつづか えり

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